9月の二水会を開催いたしました。

慶應義塾が切り拓く量子コンピュータ最前線
慶應義塾大学 理工学部 教授 伊藤 公平 様

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2018年4月11日に開催された情報産業三田会の総会・二水会において「量子コンピュータの仕組みとビジネスポテンシャル」と題した講演をさせていただきました。あれから2年強、慶應義塾はアジア初となるIBM Q Network Hubに選ばれ、金融2社と化学企業2社とともに、米国IBMが開発を進める世界最高峰の量子コンピュータIBM Qに慶應義塾大学理工学部からクラウドアクセスして、量子コンピュータ用のアルゴリズムとソフトウェア開発を進めてきました。応用先は金融・セキュリティ・化学・材料と多岐にわたり、AI技術との融合も進めています。IBMが育てる量子ハードウェア(体)に、適切な教育を施して、産業界から頼りにされる青年・成人に育てていくことが我々の使命です。今の量子コンピュータは人間に例えると幼稚園に入るくらいでしょうか?大人(今のCPU、GPUなど)には全くかないません。でも私たち「親」としては、生まれたばかりの赤ちゃんが「寝返り」を打ち、言葉を発し、ハイハイをして、こちらの問いかけに対して素直に反応し、立ち上がって歩き出すような子育ての感動をこの二年間で味わい、この子の将来の成長に向けて力強い手応えを感じています。本講演では、慶應義塾が切り拓く量子アルゴリズム・ソフトウェア研究の最前線を紹介し、子育ての醍醐味を一緒に感じていただきます。